医療機器営業における「ヒアリング」の事例
〜アポ後の商談を成功に導くために〜
医師とのアポイントが取れた後、いよいよ製品を売り込むプロセスに入ります。その入り口となるのが「ヒアリング」です。本記事では、ヒアリングの目的や進め方、トークスクリプトまでを丁寧にご紹介いたします。
ヒアリングのゴール
ヒアリングの目的は、以下の3点に集約されます。
- 医師に問題を認識していただくこと
- 現状のままではまずいと気付いていただくこと
- 解決策が必要であると理解していただくこと
このステップで同意を得られなければ、次の提案フェーズには進めません。強引にプレゼンをしても、「性能がいいのは分かった。しかし使わない」と言われてしまうのが関の山です。
オープニングは結論から入る
医師は営業に対して基本的に関心がありません。「患者にすら触ったことのない人間に何が分かるのか」という態度で臨んでくることも多く、席に着くなり「で、今日は何?」と切り出されることもあります。
そのため、余計なアイスブレイクは不要です。結論からスパッと切り出す方が効果的です。
オープニングトークスクリプト
- 「〇〇の点でお困りのケースがあるとよく聞くのですが」(第三者話法)
- 「今の〇〇が〇〇となるような提案をしております」(概要をビフォー&アフターで説明)
- 「実際に〇〇になった声もあり、事例もございます」
- 「〇〇を使ったらよくなった事例がありました」
- 「ただ、すべてに当てはまるわけではありません。ぜひ専門家のご意見を伺いたいです」
- 「この提案が先生に合うか教えていただけますか」
- 「先生のご意見を伺いたく、ぜひお時間をいただけませんか」(来訪理由を「教えを請いたい」というスタンスで)
商談の進め方
商談では、以下の4点を順にヒアリングしていきます。
1. 現状製品(現状)を聞く
採用されている製品は、可能な限り事前に調べておき、確認の意味で質問します。
トークスクリプト
- 「ちなみに今使用されている製品は何ですか」
- 「〇〇をお使いとお聞きしたことがあるのですが、お変わりありませんか」
2. その理由を聞く
使用理由から、医師が何を得たいのか、理想像を探ります。
トークスクリプト
- 「その理由は何ですか」
- 「特にない」と言われた場合は、「前は何を使っていたのか?」と掘り下げます。
3. 今の問題点は解決しているのか
多くの医師は現状に困っていないように見えますが、それは問題が顕在化していないだけです。潜在的な問題(インサイト)を引き出す必要があります。
ステップとトークスクリプト
- 今のやり方をとにかく「ほめる」「共感する」「100%同意する」
- 医師は診療に絶対の自信を持っておられます。素人が口を挟むと敵と見なされる可能性があります。
- 「もう入る隙もありませんね」
- どのくらい満足しているのかを聞く
- 「何点ですか」「100点ですか」「万能ですか」
- 問題を引き出す
- 「あと何があれば100点ですか」
- 「〇〇でお困りと言われているのですが、他であったのですが」+「工夫している点はなんですか」
- 示唆質問(理想と現状の差を見せる)
- 「それが満たされないとどうなりますか」
- 一歩踏み込んで、改善の必要性を感じていただきます(ただし、やりすぎは禁物です)
提案
ここで初めて製品を紹介します。
トークスクリプト
- 「ちょうどよかったです」
- 「では、もしこういったものがあればどうでしょうか」
テクニック
- 羞恥心を捨て、オーバーアクションで臨むと、相手は安心して口を開いてくださいます。
- メラビアンの法則によれば、
- 視覚情報(服装・笑顔など):55%
- 聴覚情報(声のトーンなど):38%
- 言語情報(話の内容):7% という割合で印象が決まるとされています。
上級医師へのアプローチ
上級医師に対しては、本社を巻き込んだヒアリング会(VOC)を組むのも有効です。病院近くのホテルや、学会期間中に開催するメーカーも多く見られます。
以上が、医療機器営業におけるヒアリングの基本的な流れと実践的なトークスクリプトです。現場での経験を活かしながら、ぜひご自身のスタイルに合わせてご活用ください。
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