プランニングの考え方と実践方法
医療機器営業において、実際にどの案件からいつ取り扱っていくべきなのかをプランニングしていく必要がございます。その際には「数字」と「難易度(成約までの期間)」の両面から考えることが重要でございます。以下に内容をご説明いたします。
1. 数字分析の方法
目標金額との差を把握する
- 目標金額に対して、現状いくら不足しているのかを確認いたします。
- 不足分を埋めるために、毎月どれだけ新規案件を積み上げる必要があるのかを算出いたします。
- この計算が現実に即していなければ、プランを100%実行しても未達に終わる可能性がございます。
方法:逆残法で算出する
- 与えられた目標数値から現在の積み上げ額を計算し、不足分を明確にいたします。
- 過去1年間の新規案件・失注案件を洗い出し、何もしなかった場合の今期着地金額を算出いたします。
- 消耗品の場合:前期に獲得した案件や失った案件の金額が今期に継続して反映されます。
- 箱物の場合:前期の予算申請が今期の採用に影響いたします。
毎月積み上げるべき新規額
- 目標額と今期予測額との差を算出し、それを月ごとに割ることで月間ノルマを設定いたします。
絶対のルール
- 起こり得るリスクをすべて洗い出し、最悪シナリオを作成しておくこと。
- 最悪の状態が起きても達成可能なノルマを設定する必要がございます。
リスクの事例
- 前任者も把握していない失注案件の存在
- 医師の異動、診療科の撤退、自主回収や欠品
- 採用後の売り上げ予測が外れるケース
数字分析のまとめ
- 計画を立てられるのは期初の1回のみです。
- 初めから最悪を想定した条件で計算し、負荷をかけた状態で走り続けることが重要です。
- エリア内の数字をエクセルなどで可視化し、不意のへこみを防ぐことをお勧めいたします。
2. 難易度
ターゲティングした案件を毎月達成できるように、難易度の低い順にクロージングしていくことが基本でございます。
難易度表の作り方
- 案件ごとの採用までの期間を把握いたします。
- 病院規模や採用ルートによって難易度は変わります。
採用までの流れ
- 医師による申請用紙提出(約1か月前まで)
- 材料委員会(1~3か月に1回)
- 採用後の定数配置
- 販売店への発注
大病院ほど審査は厳しく、採用までの時間は長くなります。個人病院では部長決済で済む場合もあり、採用までの時間は短い傾向にございます。
材料委員会の内情
- 価格が現行より高い場合、申請者による製品説明が求められます。
- 医療コンサルチームによる価格調査が事前に行われます。
- 同種製品導入時には「1増1減」のルールが適用される場合がございます。
3. プランニングの事例
方針
- 年内インパクト最大化:年初より高額案件・低難易度案件に取り掛かり、拡販を進める。
- 翌年インパクト最大化:年末に高額案件をクロージングし、低難易度案件は翌年に回す。
セオリー
- 競合品を狙う:既存市場が出来上がっているため、採用までの難易度が低い。
- 先手で動く:採用ルートに乗っても予定通り進まないことが多いため、早めに着手する。
- どっちつかずの6割を採用させる:市場には即決者2割、どっちつかず6割、採用しない2割が存在。6割の採用率を上げることが重要。
注意点
- 既存客を持つ会社は、ノルマ総額に対する既存数字の割合を確認する必要がございます。
- 守る数字が追いかける数字より大きい場合、既存客フォローを優先することがセオリーです。
- 既存客を失うと取り返す活動が余計にかかるため、既存ブロックを柱とした新規活動スタイルが望ましいです。
まとめ
プランニングは「数字分析」と「難易度分析」の両面から行うことが不可欠でございます。最悪のシナリオを想定し、現実的なノルマを設定することで、未達を防ぎ、持続的な成果につながります。さらに、案件の難易度を見極め、効率的にクロージングを進めることが営業活動の成功に直結いたします。
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追記:前任者問題について
耳の痛い話を一つ。既存ビジネスでは前任者からの引継ぎが行われることがほとんどですが、前任者のやる気次第で大きく外れることがあります。
次の赴任先でも真面目に取り組む担当者であれば、誠実に引継ぎしてもらえますが、他部署への異動や退職などで足取りが途切れる場合は、まず逃げられます(法令上、引継ぎの義務はありません)。また、コンプライアンス上、都合の悪い案件は隠されることもあります。
とにかく、情報を引き出せる時期は「今しかない」ので、上司の力や会社の力を使ってでも、すべてを引き出すべきです。スタートラインがまったく変わってきます。
おすすめの方法としては、最低限教えてほしい内容をまとめた「質問シート」を作成しておくことです。相手に主導権を持たせると漏れが多くなるため、それを回避する手段として有効です。
ご自身の営業活動において、数字分析とリスク管理は「勝てる営業」の土台となります。ぜひこの内容を参考に、現実的かつ堅実なプランニングを実践してみてください。